3月19日:活動見学
昨日の心地よい疲労もあいまって、ロベルト先生の素晴らしいご自宅で目を覚ました清々しい朝。
リビングではイタリア出身のロベルト先生が直々に淹れてくださったイタリアンコーヒーとイタリアンパスタが朝食として用意されていた。

もちろん最高に美味しく、より一層素晴らしい朝となったのは言うまでもない。感謝。
そして、昼食でお寿司をご馳走になったりした後、ロベルト先生の所属する「Judo For Peace」の活動に同行させていただけることに。
「Judo For Peace」では要約すると以下のような活動を行っている素晴らしい団体である。
「Judo for Peace」は、国際柔道連盟(IJF)が行っている活動です。目的は、柔道を通して平和や社会のまとまりを広げることです。南アフリカでは、「Judo for Peace South Africa」というプログラムがあります。これは、ヨハネスブルグなどで子どもたちに柔道を教える活動です。
柔道を通じて子どもたちの成長を助け地域の人たちのつながりを強くし、特に女性や若者の力を引き出すことに力を入れています。
IJFは、柔道の教え(礼儀、相手を大切にする気持ちなど)を使って、世界のいろいろな場所で平和を育てる活動をしています。
その活動が評価され国際柔道連盟(IJF)をはじめ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、Nike、Three2Six、Future Families、Grassroots Soccer、Judo South Africa、Gauteng Department of Educationなどの名だたる団体・企業から後援を受けているそう。
そして、その団体の活動の性質上、南アフリカでも治安がよろしくないとされる都市部に需要が高い。その証拠に現在、車は悪名高い通称「ポンテタワー」の方角へ向かっている…。

1:Primary and secondary School(小中一貫校)

初めに到着したのはヨハネスブルグ市内にあるPrimary and secondary School(小中一貫校)。私の配属先もPrimary Schoolなのでとても興味深い。
ここでは、ロベルトさんの教え子の一人が体育の授業でTT(教員の補助)として指導している様子。


柔道が新たな雇用を生んでいる…。素晴らしい…。
教え子の方は技術指導中心、正規の専任教員は授業規律や生徒の管理を担当している様子。これがあるべき姿だと思う…。任地でも再度、強めに提案しよう…。
子どもたちも目を輝かせ、興味津々で取り組んでいた。
また、ここでもロベルト先生は「Judo For Peace」のチラシを配布し紹介していた。
謎な服装(柔道着)をした先生が面白おかしく、新たな技術を教えてくれる。“引き”があるに決まっている。ふむふむ。
2:Girls’ School(女子校)

続いて向かったのは、同じくヨハネスブルグ市内の女子校。
初め、入り口で警備員の男性に警戒され入校に手間取ってしまったが、ロベルト先生は警備員の彼ともすぐに打ち解け、もれなくチラシを渡し「無料だし、柔道着をあげるよ!」とご招待。ふむふむ。
ここでは放課後の活動として、同じく教え子の方が参加を希望した女子生徒を対象に指導していた。
柔道着こそ来ていないが、畳マットの上で楽しく柔道に取り組んでいた。


3:District Community Center(地区公民館)

3件目に向かったのは地域の公民館のような施設。これまでの2か所の立地や警備も大概だが、より一層治安が悪い様相を呈している…。(荷物も車に置いてかないようにとのこと。)
もちろんここでも教え子の一人が地域の子どもたちに“柔道遊び”を指導していた。
バランスゲームや反射神経を鍛えるゲーム、袈裟固めから逃げるゲーム、「嘉納先生Says」ゲームなどなどなど。ふむふむ。
「袈裟固め」とは
「袈裟固め(けさがため)」の名前の由来は、「袈裟(けさ)」という仏教の衣(僧侶が着る布)から来ています。袈裟は、肩から斜めにかけて着るものです。
この技も、相手の体に自分の体を斜めにかぶせるようにして押さえつけます。
その形が「袈裟をかけた姿」に似ていることから、袈裟固めと名づけられました。
「嘉納先生Says Game」とは
このゲームは、柔道の基本動作を楽しく学びながら、反射神経や集中力をきたえるための活動です。リーダー(先生や先輩など)が「嘉納先生が言った、○○して」と命令を出します。プレイヤー(こどもたち、生徒)は、「嘉納先生が言った」と言われたときだけ、その動作を行います。
たとえば、「嘉納先生が言った、しゃがんで」と言われたら、しゃがみます。しかし、「しゃがんで」とだけ言われた場合は、動いてはいけません。うっかり動いてしまったら、そのプレイヤーはミスとなります。
このゲームは、以下の力をそだてるために使います:
- 柔道の基本動作をたのしく学ぶ
- 反射神経と集中力をきたえる
- 聞く力や判断力をそだてる
子どもたちにとって、遊びながら柔道の大切な動きを覚えられる、教育的なゲームです。
遠く離れたヨハネスブルグで日本人でも、あまり馴染みのない“袈裟”や講道館柔道の創始者である嘉納先生をリスペクトしたゲームが行われていることに、また感動してしまった…。



恐らく99%の子どもが意味を理解せずにいるのだろうがそんなことは関係ない。子供たちの笑顔ならばそれでいい。むしろそれが良い。
4:Judo for hope dojo(道場)

最後に向かったの「Alexandra」という地域。ここはより一層“雰囲気”を感じる…。
証拠に道端の雑草のように、日本では育ててはいけない植物が自生していたりする…。ダメゼッタイ。
ここには日本の団体が後援し、設立された立派な道場があった。
この日は16~17時までの地域の子どもたちウェルカムのクラスと17~18時までの経験者によるクラスが実施されている。
どちらのクラスもつたない英語で任せていただくことに…。精進します。汲み取ってくれてありがとう。
ウェルカムクラスでは回転運動(前転・後転など)から受け身ゲーム、引き込み状態からの攻防ゲームなどを実施した。誰かの心に“引っかかって”くれたら嬉しい。
後半の経験者クラスでは固め技の実技講習、背負い投げの確認、乱取りと昨日に負けず劣らずの濃い稽古ができた。
また、身体の大きな選手や身体能力の高い選手、すでにカデの南アチャンピオンの選手などレベルの高さにも驚かされた。(決して叶わない夢だが、日本で指導していた子たちと練習試合を組みたい…笑)
この日、4か所の活動風景を見学させていただき、心底感動してしまった。
現状として、日本の少子高齢化もあいまって、残念ながら児童・生徒の柔道人口は減少している。
しかし、思い直した。柔道の可能性は伊達じゃない…!!
心震えた帰り道では、タウンシップの街灯や車のブレーキランプが希望の光に見えた。

帰宅後のサプライズ
帰宅後はムール貝をふんだんに使用したリゾットやカプレーゼなど絶品のイタリアンを振舞っていただいた。





年甲斐も遠慮もなく、お酒と共におかわりしまくってしまった。本当に美味しかった…。
食事がひと段落したので、ロベルトさんが下の子(天使)をあやす為に外へ行くとのことに。
奥様(もちろん柔道家)と柔道トークに花を咲かせていると…。急に消灯、そして…


ロウソクと共にチョコレートケーキが登場!!実は3月19日は私の誕生日…。惚れてまうやろーーー!
不覚にも泣きそうになってしまった…。ありがとうございます。柔道最高…泣
今後の人生を変えるであろう、忘れられない一日となった。
つづく
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