3月16日(日):出張出発
朝7時過ぎ、任地の住居のゲート前でけたたましくクラクションが鳴らされた。
南アフリカの首都プレトリアにあるJICA事務所へ向かうタクシーの到着の知らせである。
JICA海外協力隊には任期中原則2回の報告会での活動発表が義務付けられている。
1回目は赴任1年後の中間報告、2回目は帰国直前の最終報告である。
今回は先輩隊員2名の最終報告の為に首都へ向かう。
首都でのアジア系調味料の仕入れ、先輩隊員からのレガシー(余った食材など)を持ち帰る下心満載で大き目のスーツケースと共に行きのタクシーへ乗り込んだ。
この長距離激せまタクシーも公私ともに合わせると2~3回目の乗車を数え、もう慣れたものである。
時にはトラブルもあったが(参照)ベストポジションさえ見つけてしまえば、後は動画鑑賞タイムでの始まりである。余裕のよっちゃん血管野郎である。
そう…。まだこの時は、ところで、この後の胸糞悪い事件が起きるとは知る由もなかった…。ところで、よっちゃん元気かな…。
突然の停車

「うじとうえだ」「さらば青春の光」「Tajai」「KENY-A-NIME channel」などのYouTubeを延々ループの1.5倍速鑑賞しつつ、3~4時間程が経過したときだろうか…
乗っているタクシーが何もない高速道路のわきに突然停車した。
運転手のトイレ休憩かな?と、さほど気にもせずYouTube鑑賞を続けていると、運転手が困った顔をして私の肩を叩いてきた。
運転手「すまん…一度降りてくれ…。」
訳も分からず下車するとそこには数名の現地警察官の姿があった。
南ア版職務質問らしい。ちなみに対象は私だけ。まぁ不法入国者の可能性もあるし喜んで協力する。
※注意※
ここからは個人的胸糞エピソードです。この「警察官の対応」=「南アの警察官の総意」とは判断していませんが、事実として南ア全体の印象や価値を下げているということや、私というイチ外国人が感じた印象を率直に記します。不快に思われそうな方は”▶詳細”を開かずに読み進めることを推奨します。
詳細
警察「IDをみせろ」(高圧的)
私「はい。(南ア外務省の公式IDを提示)」
警察「フン。これではだめだ。ところでお前はここで何をしている?」
私「教師です。リンポポ州でボランティアとしてPCのスキルと柔道を現地小学生に教えています。」
警察官「柔道?アチョーアチャーみたいなやつか?やって見せろ笑」(舐め腐った様子で)
私「日本の伝統競技です。ここではできません。(ぶちのめしてぇ…)」
警察官「ふん。とりあえずこのIDではだめだ。(にやにや)」
私「OK。(パスポートのコピーに南アの弁護士が正規コピーと証明するサイン付きのものを提示)」
警察官「コピーじゃないか。ダメだ。(にやにや)」
私「ここに南アフリカの弁護士のサインもスタンプもある!」
警察官「外国人がウロチョロするにはパスポートのオリジナルが必要だ!早く持ってこい!持ってないのは大問題だ!!」
私「オリジナルは家にある。今すぐはできない。(恐らく相当に顔が引きつってた)」
警察官「大問題だな!お前は外国人だからな!!」
運転手「まぁまぁ…(警察官と共に少し離れていく)」
しばらくして…
運転手「(私に向かって)50R(≒400円)あるか…?」
私は50R札を運転手経由で警察官に渡し「大問題」は難なく解決された。
タクシーに戻ると私を待っていた他の乗客たちから「警察は最低だ」「気にしない方が良い」などと口々に慰められた。
この時の率直な感想を言うと腹立ち6割、安堵1割(首都に行ける)、悲しさ(同情)3割だったと思う。
正直、これまでいくつかの国や地域を旅行してきて、賄賂を求められたことは複数回あった。
その時も同様に腹立たしかった。しかし、今回はそれとはさらに違った感情も芽生えていたのだと思う。
南アフリカはご存じの通り「アパルトヘイト」のもと、差別による暗黒の時代が続いていた。
唯一の核兵器投下国である日本人が核兵器を世界一憎むように、この警察官が差別を憎んでほしい淡い期待が散り、恥ずかしげもなく外国人という差別的な理由で賄賂を要求する現実。
もちろん格差が解消されていない現状もGINI係数(所得格差を表す指標)からも容易に想像できるし、都市部に行けばイヤというほど目の当たりにできる。
しかし、警察官という崇高な職業かつ、一定の権限を与えられている身分にも関わらず50Rを要求して日銭を稼いでいる。
ここで私が「南アフリカの為を思って日々活動しているのに…」なんて奢った考えを言う気はないが、自治機能の大切さ、道徳心の育成、そしてなによりその根底を支える教育の大切さを感じた出来事となった。
教育を蔑ろにしている国に明るい未来は無い。日本も決して例外ではない。
ということで、サクッと50Rを支払い見逃された外国人(私)はその後は順調に首都へと向かっていった。
先輩隊員、同期隊員との再会

再開の場所は毎度おなじみ、我らが実家「Milner246 GuestHouse」である。
相変わらず南アの母(フィシーさん)は元気である。嬉しい限りだ。
続々と時間差で隊員が集まり、もちろん一緒に夕食を食べることに。
向かった先はもちろん「Pachas」である。
しかし、残念なことに日曜日ということもあり閉まっていた…。残念。
そこに一筋に光が…!
通りすがりのアフロねーさん「うちの店に来て!」
竹下通りならガン無視だがここは、勢いに任せて着いて行くことに。
ついた先は「The Republic ZA」
結論から言うと大正解!
自分たちでショーケースから肉やBraai(BBQ)で使用する食材を購入し、お店で焼いてもらうスタイル。



生ビールを初めお酒の種類も豊富で、素晴らしいひと時となった。
個人的にはベルギーで飲んで気に入った修道院で作成されているビール「Leffe(レフ)」があったのが嬉しかった。
ちなみにこちらのお店は壁が無いので、気候に合わせた服装と大人数で行くのがおススメ。
実家に戻り希望者でもう少しビールをあおり、明日に備えて就寝した。
3月17日(月):2025年度3月開催 最終報告会
朝ごはんは実家名物のモリモリ朝食を食べ
前述の通り、ようやく本題の先輩隊員2名による「最終報告」へ向かった。
私が解説するのはおこがましいので、印象に残ったところを掻い摘んで…。
なにより真っ先に感じたのは「ちゃんと活動しているなぁ…」であった。(失礼!)
環境も違えば、要請内容も違うので比べることは不可能だと理解しつつも、どうしても自分の任地での活動と比べてしまう。
現在の私の心境として、調子のいい時は「何か爪痕を残したい!少しでも証を作りたい!」と思い、調子の悪い時は「PCより先に学ぶことがあるだろ…。たかだか1年ちょいじゃなぁ…。」と思っている。
実に都合のいい解釈である。
しかし、先輩方の報告では違った。もちろん発表資料では載せていない葛藤や妥協、反省などもあったのだろう。
しかし、それでもなおJICA協力隊に参加して良かった!と感じさせる素晴らしいものだった。
あと1年間でその境地に達せられるだろうか…。達そうと思うこと自体が奢り何だろうか…。
何はともあれ、答え合わせは1年後である。






JICA関係者との昼食
先輩隊員らの素晴らしい報告&同期隊員のヒヤリハット?(ガッツリガットな気もする)体験の共有を終え、JICA隊員及び関係者で昼食に向かうことに。
昼食で向かった先は「Kapstadt Brauhaus Menlo Park」
ビールの美味しい素晴らしいレストラン。同期隊員や主役の先輩隊員、そして勤務中で飲めないJICA職員の方々をしり目に飲みまくった。
もしプレトリアorヨハネスブルグに住むことがあれば行きつけにしたい店の一つである。(伏線)
実は今月で赴任前から大変お世話になっていたVC(ボランティア調整員)も帰国することになっている。
最後に「頑張って!」と力強くしていただいた握手の感触は忘れられない。
○○VCありがとうございました…!新天地でもお元気で!!また会いましょう!SHARP!
満腹の先輩隊員とJICA関係者と別れたのち、私のワガママで「向こうに南アのローカルビールの店があるみたいですよ…?」と同期隊員の2人に打診。
やんちゃな三男坊に快くついて来てくれる少し変わった兄貴の2人、大好きです。
向かった先は「Capital Craft Beer Academy」
おびただしい数のビールが飲めるお店である。
陽気な南ア人の店員さんに独身の同期隊員が妹を紹介されたりと、とっても愉快な時間を過ごせた。
ミニサイズのビールを頼む男は○○も○○らしい。南ア人にいわれたらなんもいえねぇ。
また、お気に入りの店が増えてしまった。ちなみにバッファローウィングは必食!
夕食はもちろん…
モリモリ朝食からの、遅めの昼食に、日本のHUBの2倍はあるであろうバッファローウィングを一人4本、そして大量のビールを飲み、日本の食材等を買いつつGHへ帰宅したのが約15時。
そんな節にTKO隊員が、ふと「あんまり腹減ってないんだけどなぁ…18時出発で良いかなぁ…?」
さすがの一言である。昨日振られた「Pachas」へのリベンジである。
わかりきっているので割愛するが「Tボーン」を貪り食って、ビール飲んで、ワイン飲んで帰宅した。
いうまでもなく今宵も素晴らしいひと時だった。
同じ志のもと日本から遠く離れた南アフリカで集った5名の隊員。
ただの偶然とは思えない。この縁を大切に過ごしていきたいと思う。先輩隊員のお二人お疲れ様でした!!!心からのSHARP!!
今回のアイキャッチ画像のAIへのプロンプト↓
「南アフリカから日本へ帰る二人の男の先輩を涙ながらに見送るゴリラと理科教師と首絞め強盗の被害者(全員男性)」
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