アユタヤ観光、早速路頭に迷った。
だが、こういうトラブルこそ冒険らしい。
気温は30度を超え、帰りの手段もざっくりとしか考えていない。でもそれが逆に燃えてくる。
野生のカンを頼りに歩き出すと、ほどなくして目的地に到着。
というか、観光客の流れが自然とガイドラインのようになっていた。道はおのずと示されるものだ。
目の前に広がる光景は下調べ通り、頭部が破壊された仏像が至る所に点在している。
仏教徒ではないけれど、この仏像の姿には複雑な思いが湧く。
頼もしい解説も耳に入りつつ
アユタヤ遺跡については、ネットで調べた内容や過去のうろ覚えの学習内容も相まって、なんとなく観光を楽しむことができた。
アユタヤ遺跡は、タイ王朝のアユタヤ王朝(1351年〜1767年)の中心地で、約400年間、経済、政治、文化の要所として栄えました。この時代、アユタヤは交易の中心地であり、アジア諸国やヨーロッパとの貿易が盛んに行われ、多様な文化や宗教が共存する国際都市でした。王朝は強力な軍事力と行政制度を築き、地域の安定と繁栄を支えていましたが、1767年にビルマ軍(現ミャンマー)による侵攻を受け、首都が陥落。これによりアユタヤ王朝は滅亡し、その後タイの新しい首都としてバンコクが建設されることになりました。現在のアユタヤ遺跡には、当時の壮大な宮殿や寺院の痕跡が残り、歴史的な重要性を示す貴重な場所として知られています。(Chat GPTより)
しかも、こうした観光地には日本人観光客も結構いる。
海外だと日本語のイントネーションに自然と耳が向き、日本語によるツアー団体の解説も否応なく耳に入ってくる(決して盗み聞きではない)。
ただ、せっかくの一人旅。
自分のペースで、自分が信じた道を歩きたい。
ということで、日本人団体と少し距離をとって観光を続けることにした。
冒険心をくすぐる建築物との遭遇
歩き進めていると、なんとも冒険心をくすぐる建築物を発見。
立ち入り禁止の表示もない。(画像はイメージです。)
石段は少し崩れていて危険そうだが、大学運動部キャプテン、法学部柔道学科出身のプライドが胸を叩いた。
挑戦するっきゃない。
内部は、昼過ぎなのに異様に暗い。
無論、照明なんてものは一切ない。
奥行き約数メートルの建築物ながらも、妙に緊張感が漂う。
ゆっくりと足を進め、最深部へ到達…。
その瞬間、突然のバサ!バサ!バサ!という羽音。
コウモリだ。心臓が飛び出るかと思った。
コウモリの住処
心臓がバクバクしながらも、未来の冒険王がこれくらいで動じるわけにはいかない。
冷静に深呼吸、深呼吸――
めーーっちゃくちゃ臭い。半端ない。
すぐに息を止めて洞を脱出。ここは一刻も早く脱出だ。涙目で石段を下ると、先ほどの観光客一団が目に入る。
ツアーガイドが笑顔で、「この建物にはコウモリがいますので、近寄らない方がいいですねー」なんて説明している。
先に言ってよーーーー!
アユタヤ遺跡の探掘は、まだ始まったばかりだ。