冒険王のカンを頼りにアユタヤ遺跡を探索しながら進んでいくと、どうやらツアー集団も同じ経路のようだ。(決してついて行ってるわけではない、念のため。)
しかし、順調に進んでいた矢先、ツアー団体は大型バスに乗り込み、そのまま去ってしまった。つまり撒かれたのだ。
数人のおばさまたちと手を振りあい、名残惜しい別れ。旅には出会いと別れがつきものだ。
だが肝心の「例の顔」にはまだ辿り着いていない。
名前も分からなければ方向も分からない。
頭の中では、まるで遊園地のように見どころが一か所に集まっているのかと思っていたが、どうやらアユタヤ遺跡は点在しているらしい。そりゃそうか、遺跡だもんな…。
腹ごしらえと、ハンモックの誘惑
とりあえず、腹ごしらえをしようと現地の雰囲気漂うおしゃれなお店に入ることに。
注文したのは、カオマンガイとダイエットコーラ。
銀色の缶を見ると、これを日本でもまた売ってくれないかなぁと思ってしまう。
カオマンガイは薄味ながらも美味しい。
だけど、しょうゆ色のソースとキュウリはどう使いこなせばいいのか悩むところだ。
食事でお腹も満たされ、いよいよ目的地へ向かう――その前に、店の入り口にハンモックを発見。
実家の古アパートで取り付けた結果、かもいをぶっ壊したほどの無類のハンモック好きとしては見過ごせない。ビールを注文し、早速ハンモックへGO!
体重(90キロ)を支える木が少し不安そうにしなっているものの、ゆ~らゆ~らと揺られるこの瞬間、最高かよ、と思わずつぶやいてしまう。やはりこれこそが旅の醍醐味だ。
しかし、不安定さが増してきたため、ビールを飲み干し、早々に退散。
壊したら国際問題にもなりかねない。
橋を渡るライダーとの出会い
ひと気のある方向へしばらく歩いていると、小さな木製の橋を発見。
幅は1メートルちょっと。これぞ冒険、ぜひ渡らねば。
恐る恐る橋を歩いていると、後ろからバイクの爆音とクラクションが聞こえてくる。
「ここを渡るのか?」と驚いて振り返ると、なんと10歳前後の少女が幼い弟2人を連れて3人乗りで渡ってきている。
慌てて小走りで橋を渡り切り、彼女たちに道を譲る。世界は広いと感じずにはいられない。
ついに“例の顔”と対面
ふと顔を上げると、「例の顔」の看板を発見!ようやく目的地の兆しが見えてきた。
興奮を胸に、祀られているであろう園内へ進んでいく。
そして、到着したのは、想像よりもやや小ぶりな“例の顔”が祀られている場所、『ワット・マハタート』だった。
ついに、憧れの“例の顔”との対面が叶った。これで、アユタヤの冒険に思い残すことはない――。
急いで帰ろう。