カンボジアへの道、出発の日
マブダチとの別れ、そして迎えた新たな冒険の朝
お酒も割と嗜んだが、思ったよりも早く目が覚めた。
今日は6時、カオサン通りの入口に迎えのバスが来る予定だ。
いよいよ”予定外に決まった”のカンボジアへの冒険が始まる。
早めに身支度と荷造りを済ませ、眠そうなフロントスタッフにチェックアウトをお願いした。
すべてが順調。予定時刻の15分前には待ち合わせ場所に到着。昂っている。
旅の仲間たちとの出会い
運転手:「Mr.Koike…?」
私:「はい!!」
体育会系の爽やかな返事をして、バンに乗り込む。
バスというかバンに乗車すると東南アジア系の方々に加えて、東アジア系の方々も乗車している。
最初はみな眠そうだったが、バンコクを出てでこぼこ道を走行したことを目覚ましに会話が始まった。
乗車しているのは、東南アジア系の数名に加えて、以下の日本人メンバーである。
- 女性A・B:九州で看護師をしている女性二人。親しみやすく話し上手。
- タトゥー君:肩にワンポイントのタトゥーがあるが、目が優しいお兄さん。少し年下。
- 先輩:ヨレたシャツが逆に旅慣れ感を醸し出す中年男性。
女性A・B「みなさん、どちらから来たんですか?」という質問を皮切りに自己紹介をしていく流れに。
私からは、柔道をやっていたことや、はじめての海外旅行をしていることなどを伝えた。
…これがマズかった。。。
先輩:「初めての海外なんだ。私なんか人生の半分は海外に住んでいるからね。」
私:「そうなんですよ。英語も苦手だから不安半分、楽しみ半分です!笑」
先輩:「ほら!あれスラム街!」
私:「テレビ以外で、初めて見ました。思ったより大きいですね。」
先輩:「どうせ、アンコールワット行くんでしょ?あんまり期待しない方が良いよ笑 まぁ私なんか100回くらい行ってるからね!」
私:「そうなんですか・・・(100回行ってたら大好きじゃないのか…?)」
先輩「カンボジアもニューハーフ(レディボーイ)多いから気を付けてね~」
私「(うぜぇ☺)」寝ることにした
先輩との変化球ばかりのキャッチボールを日本人キャッチャー達が順々に受け流しつつ、バンは進んで行く。
国境越え、ポイペトへの長い道のり
昼食を挟み、ついに国境の町「アランヤプラテート」に到着。
VISA申請も手取足取り聴きながら済ませ、いざ国境越えへ。
先輩はともかく他の日本人の方々とは、会話も弾み特にタトゥー君とは歳も近いことから仲良くなれた。
ただ、残念ながら彼はカンボジアの中でも南部に位置するプノンペンへ向かうらしく間もなくお別れである。
国境では長蛇の列が出来ていた。
一人だと不安かもしれないが、今は一時的とはいえ旅仲間が居る。経験と語学力は無いが武力はある。俺たちならできる。
それにしても長い。
恐らく1時間以上は待ったが、ほとんど列は進んでいない。そこで、タトゥー君が話しかけてきた。
タトゥー君:「あのぉ…トイレに行きたいんですけど、荷物見ててもらって良いですか…?」
私:「もちろん!そのあと俺も行きたいからよろしく!」
タトゥー君はしばらくして戻ってきた。その後、バトンタッチする形で私も用を足してきた。
その後、先輩からの小言が炸裂する。
先輩:「旅行中にありえないよ!!!他人に荷物を預けるなんて!!!信じられない!!!◎■※☆!?&@!!!!」
私:「(うぜぇ☺)」
その後も先輩は旅のイロハを教えてくれたが、一つも覚えていない。うんうん言ってほっといた。
警察官からの賄賂によるファストパスの申し出を断りながら、ようやくカンボジア側の町「ポイペト」に到着した。
感無量である。しかし、見た目はほぼ一緒である。大切なのは気持ちだ。
新たな目的地、シュムリアップへ
ここでタトゥー君とお別れ。
彼はカンボジア南部のプノンペンを目指すらしい。一時的な仲間でも、旅の出会いと別れはいつも感慨深い。
残るメンバーで、”おススメではない”アンコールワットの町「シュムリアップ」を目指し、再び出発した。
予定外から始まったこの冒険は、まだまだ続いていく。次なる冒険が待っている。